旅行の目的と出発前の準備

 時は2003年8月。北朝鮮の拉致被害者が日本に帰国してから1年近くが経っていた。連日報道される北朝鮮情勢。これを見ていて「北朝鮮って本当はどんなところ? 見てみたーい。」って気持ちになった。いろいろ調べると北朝鮮に行くには北京から20万円以上のお金がかかるらしい。これは学生の自分にとっては無理な金額。

 そこで国境ギリギリのところから北朝鮮を見れないかな?と思った。北朝鮮との国境で有名なのは韓国の板門店。南北朝鮮の緊張地域だ。確かにここからも北朝鮮の様子は見えるらしいんだけど、街とかはなくて無人の村が見えるだけだそうだ。しかも、警備が厳しくてカメラでの撮影も制限されるみたい。これじゃあ面白くない。
 そこで思いついたのが中国と北朝鮮との国境。こちらは調べてみると写真撮影の制限はほとんどなく実際の町並みが見えるみたい。「これだ!」と思った。そんなわけで中国側から北朝鮮を見ようと思った。
 といっても中国と北朝鮮が接している部分は結構ある。どこを見るかというのはポイントだと思うけど、ある程度有名なのが丹東、集安、図們のようだ。この中で丹東はあまりにも有名で観光地化されている危険がある。集安は田舎町だけど最近治安が悪いとの事。それに交通も不便だ。図們は車で一時間離れた延吉に空港があるし交通の便も良い。それに、観光地化されているわけでもないみたいだ。ってことで、図們から北朝鮮を見ることにした。

 今回は中国も3回目だしできれば第3国から入国したいと思った。本当はロシアのウラジオストック経由で鉄道で中国入りしたかったんだけど、これも情報面・言葉の問題・経費の問題などから残念ながら却下。そこで延吉行き・ソウル乗り継ぎ便というのをヤフー格安航空券情報で発見。ところが出発まで10日を切っていたこともあってか航空券を入手できなかった。そんなわけで経路的には一番安い大連の往復航空券を4万円ぐらいで買って、延吉には国内便で行くことにした。
 しかも、空席の事とか運航日の関係で中国滞在は12日間と思っていたより長期になった。これだけあれば中国東北地方をかなりまわれる。出発1週間前を切って、さっそく旅行の計画を立てた。とはいうものの、列車の出発時刻とかがハッキリしない。そこで、大体行きたいところを決めて、旅行自体を余裕を持たせたスケジュールで適当にまわるという気ままな旅行にした。ホテルの予約も最初と最後の日だけ大連が確定なのでそれだけ予約した。(予約した方が割安で泊まれる)

 前回の北京旅行で承徳という地方都市に行って結構大変だったから、あんまり田舎には行きたくない。そこでハルピン、長春、瀋陽といった比較的大きな都市をまわることにした。

 さらに瀋陽からバスで一時間ぐらいのところに撫順という町がある。ここは日本人戦犯の収容所とかで有名なんだけど、露天掘りという大きな炭鉱がある。しかも現在も操業中。天空の城ラピュタでシータが空から落ちてくるシーンとか炭鉱の町が舞台になっているんだけど、その炭鉱というのを実際に見てみたいと前から思っていた。2003年6月に北海道の釧路炭鉱へ行ったけど、残念ながら実際に動いている炭鉱というものは見えなかった。そこで今回は撫順もはずせない。

 あとは旅行の日程とかから大体どこを見るかというのは決まってくる。適当な予定だけど一応スケジュールも立てた(実際にはかなり変更した)

 ところで出発前にワカメさんという中国に留学している方から、「このサイトを見ましたよ♪」っていうようなメールをもらった。そこで「実は来週から中国へ行くんですよ。大連、延吉、瀋陽、ハルピンとか行こうと思ってまーす」って言ったら、なんとハルピンに住んでいるとの事。かなりの偶然です。出発までにいろいろ聞いたんだけど、一番役に立ったのが「ネットカフェ」の中国語表記。おかげで向こうに行ってからは毎日ネットができた。

 荷物の準備は夏だし服も少なくて済むのでリュックサック一つにした。さらに友達から「古くなった服を持って行って旅行先で捨てるといいよ」と言われたので、捨てるつもりの服を持っていった。

 そんな感じで、結構不安はあるけど旅行出発の日は来たわけです。